【12月22日 AFP】英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)外相は22日、ロシアの首都モスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)ロ外相と会談を行った。英外相がロシアを訪れるのは5年ぶり。

 ジョンソン氏のモスクワ訪問は、長く対立が続いた英ロ間の対話のきっかけづくりを狙ったものとみられ、両外相は長年の反目を解消し、関係改善を検討する意欲をみせた。

 ラブロフ氏は会談後、ジョンソン氏との対話を称賛し「敵意」は感じなかったと述べるとともに、「われわれは互いの利益を考慮し、尊重しながら、対等の原則に基づいて幅広い分野における諸問題に関する対話を発展させる用意がある」と語った。

 一方、ジョンソン氏も自身について「熱心なロシアびいき」と表現し、両国の関係に改善がみられるようにしたいとの考えを示した上、「われわれは前へ進む方法を見つけ出さなければならない。同時に、共により良い未来を構築できる領域で協力していかなければならないと思う」と語った。

 英ロ両政府の関係は、ロシア政府に批判的だったソ連国家保安委員会(KGB)の元情報員、アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏が英首都ロンドンで放射性物質を使って毒殺され、英国が容疑者の追及を目指したことで悪化。

 英国はまた、ウクライナ内戦においてロシアが果たした役割と同国によるクリミア(Crimea)併合に対する欧米諸国のロシア制裁を熱心に支持している。

 さらに両国関係は、ロシアがシリア内戦に介入し、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側へ肩入れしたことにより一層悪化した。(c)AFP