【12月22日 AFP】クリスマスシーズンは人間にとっては甘い物を好きなだけ食べられる時期かもしれないが、犬にとってはチョコレート中毒の危険性が高まる時期だと警鐘を鳴らす研究結果が21日、発表された。

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 クリスマスには、食べられるツリーの飾りやお菓子などが入れられた待降節カレンダーなどにより、チョコレートが「より身近に」なるため、犬の飼い主たちは特に警戒する必要があると、英リバプール大学(University of Liverpool)の研究チームは述べている。

 チョコレートは犬が食べた場合、少量では嘔吐(おうと)や下痢、多量になると筋肉のふるえ、けいれん、不整脈、内出血、心臓発作などを引き起こす恐れがある。

 チョコレート中毒は犬における急性中毒の全症例の約25%を占めている。

 研究チームは、英国の獣医療229症例から集めた5年分のチョコレート中毒に関するデータを細かく分析し、論文にまとめた。獣医学誌「ベテリナリー・レコード(Veterinary Record)」に掲載された論文は「チョコレートの摂取には、中毒の危険性を強調するに値する独特な季節的傾向がある」と記している。

 また研究チームは、クリスマスシーズンには一年の他の時期に比べてチョコレート中毒の症例が4倍に増加することを発見した。イースター(Easter、復活祭)では倍増したという。

 子犬は成犬に比べてチョコレートを食べてしまう可能性が高いという。

 米ペットフードメーカー、ヒルズ(Hills)のウェブサイトに掲載されている説明によると、犬にとって有害物質であるチョコレートの成分は「テオブロミン」という物質で、人はこれをすぐに代謝する一方、犬がこの物質を体内で処理する速度ははるかに遅いため「テオブロミンが有毒レベルにまで蓄積されてしまう」という。

 ミルクがほとんど入っていないカカオマスの量が多いダークチョコレートほどテオブロミンを多く含んでおり、ダークチョコレート28グラム足らずで体重22キロの犬が中毒症状を引き起こすのに十分な量になる。

「飼い犬が多量のチョコレートを食べたかもしれないと思われる場合には、すぐにかかりつけの獣医師に連絡すること」と、ヒルズは奨励している。

 チョコレートは猫にとっても有毒だが、猫がチョコレートを食べる可能性は低い。他の動物と違い、甘さを感じる味覚がないからだ。(c)AFP/Mariëtte Le Roux