【12月22日 AFP】オーストラリア当局は、末端価格にして10億豪ドル(約870億円)を超えるメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)を押収した。警察が22日、発表した。その量は1.2トンに及び、同国史上最多だという。

 このメタンフェタミンは、船からの荷降ろし後に差し押さえられた。当局は同船の出港地を中国とみている。

 メタンフェタミンは俗に「アイス」や「クリスタルメス」とも呼ばれ、依存性が極めて強い薬物。オーストラリアはメタンフェタミンの使用者1人当たりの消費量が世界で最も多く、末端価格も急騰していることから、業者からますます格好の密輸先とみなされているという。

 オーストラリアで流通しているメタンフェタミンの大半は、中国に加え、タイ、ミャンマー、ラオスが国境を接するいわゆる「黄金の三角地帯(Golden Triangle)」から入ってきている。

 今回の摘発は、半年にわたる捜査の末に実現した。メタンフェタミンが船からレンタカーの白いバンに積み替えられた後で特殊部隊が踏み込み、車内にいた男3人を逮捕。同時に船内に入り乗員3人を拘束した他、西部パース(Perth)のホテルに居た2人も逮捕した。逮捕者計8人は全員オーストラリア人だった。

 8人は商業量の規制薬物の輸入または所持の罪で訴追された。有罪と認められれば終身刑を言い渡される可能性があるという。(c)AFP