【12月23日 CNS】中国配車アプリ最大手の「滴滴出行(Didi Chuxing)」は21日、40億ドル(約4500億円)を超える資金調達を実施したと発表した。今後は、人工知能(AI)運転技術と新エネルギー自動車サービスを含むイノベーション事業分野での研究開発を急ぐ。中国の経済ニュースサイト「財経網(Caijing)」の報道によると、滴滴の資金総額は今回の資金調達により、120億ドル(約1兆3600億円)を超えるという。

 滴滴が2015年に設立したロボット学習研究院はその後、「滴滴研究院(DiDi Research Institute)」と名前を変え、ビッグデータや人工知能、クラウドコンピューティングの技術を交通の領域で大規模に応用する研究を重ねてきた。今年3月には米シリコンバレー(Silicon Valley)に「滴滴米国研究院」を設立、ビッグデータセキュリティとスマート運転技術について研究している。

 滴滴が開発した、道路状況に基づき自動的に時間を調節する「スマート信号機」は、中国国内20都市以上で800機以上導入されている。

 また、12月初めに中国・浙江省(Zhejiang)で行われた「世界インターネット会議(World Internet Conference)烏鎮サミット」で、滴滴は米アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)などと共にインターネット技術の高さを評価されている。

 滴滴は、積極的にデータや計算能力、研究成果を学界と共有し、共同で科学技術の開発をしていくとしている。世界中にいる約7000人の社員のうち、その半数はビッグデータの専門家とエンジニアだという。

 米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)は、『中国人工知能研究レポート』の中で「中国と米国は今、世界の人工知能開発の中心となっている」と取り上げている。今回の資金調達によって滴滴はさらに技術研究に力を入れる。中国が交通強国となる日もそう遠くないかもしれない。(c)CNS/JCM/AFPBB News