地球温暖化で欧州の難民激増か、現在のペースで年66万人増 米研究
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【12月22日 AFP】地球の温暖化傾向が続けば、今世紀末までに欧州での難民認定申請者が激増するという研究結果が21日、米科学誌サイエンス(Science)で発表された。
これまでにも、地球温暖化の悪化に伴う干ばつのような気候変動リスクが、どのように地球規模での対立につながるかについて研究が行われてきたが、今回、米ニューヨークのコロンビア大学(Columbia University)の研究チームは、2000~14年の欧州連合(EU)への難民認定申請者数を対象に調査した。同期間の申請者数は年間で平均35万1000件に上る。
申請者数と申請者の出身国103か国の気候を比較したところ、出身国の農業を行う地域の温度が、作物の生育期に最適とされる20度からかけ離れると申請者数が増加する傾向があったという。研究チームは、気温と農業、難民申請者数には明らかな因果関係があると指摘している。
また「気温が標準を上回るほどイラクやパキスタンなど暑い国からの難民認定申請者が増加し、下回るほどセルビアやペルーなど寒い国からの申請者が増加する」と説明している。
こうしたデータをもとに試算すると、地球全体の平均的な気温上昇を楽観的とされる平均1.8度と仮定した場合、2100年までに難民認定申請数は28%増加し、1年間では9万8000人増になるという。
現在のペースでの炭素の排出が続けば、地球の気温は2100年までに2.6~4.8度上昇し、申請者数は188%増加。1年間では66万人増える計算になる。(c)AFP