【12月21日 AFP】イングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2017-18)は20日、準々決勝の試合が行われ、チャンピオンシップ(2部)のブリストル・シティ(Bristol City)が試合終了間際に決勝点を決めて2-1で昨季覇者のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を下し、4強入りを果たした。

 プレミアリーグで2位につけるユナイテッドは、前週末のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(West Bromwich AlbionWBA)戦から10人を入れ替えながらも、マーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)、ズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)、アントニー・マルシアル(Anthony Martial)の強力な3トップをそろえるなどスター選手を並べて、2部で上位につけるブリストル戦に臨んだ。

 それでも、前半をスコアレスで終えると地味なブリストルが先手を取った。後半6分、ブリストルのジョー・ブライアン(Joe Bryan)が強烈な左足のシュートを放つと、ボールは懸命に体を伸ばしたGKセルヒオ・ロメロ(Sergio Romero)を打ち破り、ネットに突き刺さった。

 それでもユナイテッドがビハインドになったのはわずかな時間で、その6分後にはイブラヒモビッチがゴール前でのFKを壁の間を通して蹴り込み、同点に追い付いた。

 勝利を目指すユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、デリー・ブリント(Daley Blind)に代えてロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)、イブラヒモビッチに代えてヘンリク・ムヒタリアン(Henrikh Mkhitaryan)をピッチに送り、攻撃陣を厚くした。

 しかし、アウェーチームからのプレッシャーにさらされながらも度胸を失わなかったブリストルは試合終了間際、ユナイテッドの守備の乱れに乗じ、ペナルティーエリアに進入したコリー・スミス(Korey Smith)がボールを胸でトラップすると、冷静に左足のシュートをゴールに蹴り込んだ。

 ユナイテッドは前掛かりになり最後の一押しを狙ったが時すでに遅く、最後の笛が鳴らされるとサポーターは熱狂し、ピッチに入って勝利を喜んだ。

 決勝点を決めたスミスは「信じられない。なんて言えばいいのか分からない。シーズンを通してやっているような、素晴らしいプレーができた」と振り返った。

 ユナイテッドのモウリーニョ監督は、ブリストルにはつきがあったとしながらも、相手チームのパフォーマンスを称賛した。

「素晴らしいプレーではあった。一生に一度の試合というような感じで、実際そうだったのだろう。サッカーの美しい日だ。下部リーグのチームが勝った。彼らにとって最良の日だ。前半は、精神的にも肉体的にもあちらにあった激しさに欠けてきた」

 一方でチェルシー(Chelsea)は、こちらも終盤に劇的な展開を迎える中、2-1でボーンマス(AFC Bournemouth)を退けた。

 前半13分にウィリアン(Willian Borges da Silva)のゴールで先制したチェルシーがそのまま勝利するかに思われたが、ボーンマスは終了間際にダン・ゴスリング(Dan Gosling)が同点ゴールを決めて試合を延長戦へ持ち込みかけた。

 しかし、その直後にチェルシーは途中出場のアルバロ・モラタ(Alvaro Morata)が決勝点を決め、チームの4強入りを決めた。

 準決勝ではブリストルがプレミア首位のマンチェスター・シティ(Manchester City)と、チェルシーがロンドンのライバルであるアーセナル(Arsenal)とそれぞれ対戦する。(c)AFP/John WEAVER