シリア空爆で片目失った赤ちゃん、包囲戦への抗議のシンボルに
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【12月21日 AFP】シリア政府軍の包囲下で空爆に遭い、片目と母親を失った生後40日の男の赤ちゃんの悲痛な写真をきっかけに、片目を手で覆った自分の写真をソーシャルメディアに投稿して連帯を示す運動が広がっている。
発端となったのは、赤いベビー服姿のカリム・アブドラ(Karim Abdallah)ちゃんの写真。左目のあるべき場所は三日月形の傷跡でふさがり、左頭部にも大きなかさぶたがある。
親類や手当てした医師の証言によると、カリムちゃんは10月29日、首都ダマスカス(Damascus)近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)の市場で母親と共に政府軍の空爆に遭い、重傷を負った。母親は死亡した。東グータは2013年から政府軍の封鎖下にあり、取り残された約40万人の住民は食料や医薬品の入手もままならない状態で生活している。
痛々しいカリムちゃんの姿に胸を打たれた東グータ在住のフリーランス写真記者が12月中旬、カリムちゃんを撮影した写真と、左目を手で覆った自分の写真を公開。これがきっかけで、同様に片目を隠した自分の写真をハッシュタグ「#SolidarityWithKarim(カリムへの連帯)」と共にツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)に投稿する世界規模のキャンペーンが立ち上がった。
シリアの子どもたちやジャーナリスト、活動家、市民ボランティアでつくる民間防衛隊「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」の隊員たちをはじめ、反体制派を支援するトルコの閣僚らも参加したキャンペーンは、ついに国連(UN)にも到達。安全保障理事会(UN Security Council)に出席中のマシュー・ライクロフト(Matthew Rycroft)英国連大使が、右手で片目を覆った写真をツイッターに投稿し「われわれは東グータの空爆と包囲戦の帰結を見なくてはならない」とつぶやいた。
カリムちゃんの写真を撮影した記者は「片目と母親を失った赤ちゃんの声を世界に届けるのがキャンペーンの目的だ」と語った。2011年に始まったシリアの内戦では、これまでに34万人以上が死亡している。(c)AFP/Hasan Mohammed