【12月28日 AFP】国際エネルギー機関(IEA)は先月、年次報告書「世界エネルギー見通し(World Energy Outlook)」 を発表し、主に中国とインドのおかげで、これから数十年にわたって太陽エネルギーが新たな発電の分野をリードしていくことになると発表した。

 年次報告書によると、今後、四半世紀にわたり、世界の増大するエネルギー需要はまず第一に、再生可能エネルギーによって満たされ、一方で石炭を燃やす火力発電所の新設は減少する見込みだという。そうした状況の中で、IEAは太陽エネルギーの未来は最も明るいとみている。

 IEAのファティ・ビロル(Fatih Birol)事務局長は、世界の電力市場で太陽エネルギーは拡大しており、中国やインドなど多くの地域で最も安価な発電源となっている」と述べた。

 IEAはさらに、中国とインドにおける普及に後押しされ、太陽電池が(再生可能エネルギーによる)発電量の増加を先導していくとみている。

 一方で欧州連合(EU)は、同連合内においては2030年ごろからは風力が主要な発電源となるとみている。

 IEAは「中国やインドが主導する太陽電池の急速な有効利用は、2040年までに太陽光を最大の低炭素電源にすることに貢献し、そうなれば再生可能エネルギーの全発電量に占める割合は40%に到達する」と述べている。

 報告書はまた、「主に大気汚染に対処するためによりクリーンなエネルギー技術を重視していることが、中国を風力や太陽光、原子力、そして電気自動車の分野で世界のリーダーとしての地位に押し上げる」とも指摘している。

 中国の経済規模と世界のエネルギー市場における同国のシェア拡大は、中国政府の選択が世界的傾向を決める上で大きな役割を果たすようになることを意味している。(c)AFP