クリスマス直前に枯れた「もみの木」、ローマ市民が早すぎる死を悼む
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【12月20日 AFP】「オークリスマスツリー、オークリスマスツリー。あなたの枝はどうしてそんなに痛ましいほどあらわになってるの」──。イタリアの首都ローマの市民が、親しみを込めて「バルディ(Baldy、頭がはげた人の意)」と名付けられた木の「早すぎる死」を悼んでいる。
12月25日のクリスマスまで1週間というところで、ローマのベネチア広場(Piazza Venezia)に約4万8000ユーロ(約615万円)の費用をかけて設置された木が冷笑の的となってしまった。ローマ市長は、バルディの「早すぎる死」の原因を究明するため調査を開始している。
あるローマ市民はツイッター(Twitter)に「ローマの木は到着すると同時に枯れて、死んだ。ローマの置かれている状態を象徴している」と投稿。「葬式が始まるのはいつだい?」という書き込みもあった。
現地紙メッサジェロ(Il Messaggero)によると、バルディが北部ドロミーティ(Dolomites)から輸送される際、シートで適切に覆われていなかったことが予備調査で明らかになったという。
多くの市民は、この「もみの木の苦痛」を、2016年の市長選で勝利しものの、ごみ問題などへの対応に苦慮しているポピュリスト政党「五つ星運動(M5S)」になぞらえている。
あるローマ市民は「彼ら(M5S)はこの1年半の間に生み出した混乱ではまだ足りないのか、われわれはこの苦境に耐えなければならない」とツイートした。
メッサジェロ紙は「ロシアでは、われわれの枯れかけている木は『トイレ用ブラシ』呼ばわりされている」と報じ、これは国家の恥だと批判している。(c)AFP