【12月19日 AFP】女性2人に対するレイプや殺人などの罪で死刑判決を受け、後に判決が取り消された米国の元死刑囚が18日、それまで数十年にわたり否認してきた罪を再審で一転して認め、再び有罪判決が言い渡された。

 ミズーリ州出身のレジナルド・クレモンズ(Reginald Clemons)元死刑囚(46)は検察との司法取引に応じて罪を認め、死刑判決を免れた。クレモンズ元死刑囚はレイプ、殺人、強盗など5つの罪で終身刑が下された。

 クレモンズ元死刑囚は他3人の共犯者とともに、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)で1991年にジュリー・ケリー(Julie Kerry)さん(当時20)とロビン・ケリー(Robin Kerry)さん(当時19)姉妹を殺害した罪で、有罪判決を受けた。

 当局によると、ケリーさん姉妹は世界的に有名な「ルート66(Route 66)」沿いの橋から投げ落とされたという。

 クレモンズ元死刑囚は22年間、死刑囚監房に収監されたが、その間、支持者らは裁判が公平でなかったとして再審を訴えていた。

 そして2015年、警察が暴力で自白を強要し、証拠数点を隠蔽(いんぺい)していたことが決め手となり、クレモンズ元死刑囚の判決は覆り、検察が再審を決定していた。

 ジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)州司法長官は、「今回の有罪認定が家族、そして地域社会全体にある程度の平穏をもたらしてくれるものと願っている」との声明を発表した。

 クレモンズ元死刑囚の共犯者のうち1人は2005年に死刑が執行され、残り2人は有期刑に服している。(c)AFP