【12月19日 CNS】中国・四川省(Sichuan)涼山イ族自治州(Liangshan Yi Autonomous Prefecture)ジィアルモー郷にある海抜1400メートルのアトゥラール村は、別名「崖村」と呼ばれている。村民が先祖代々、断崖絶壁に掛けられたはしごを山のふもとと山頂にある村とを行き来する際の唯一の交通手段だ。最近、ふもとの村に通じる17か所のツタ製のはしごが鉄のはしごへ代わり、交通手段が大きく改善された。だが、依然として村民が村を行き来するのに片道3時間もかかることから、村の医務室に常備されるべき医薬品が頻繁に不足する。

 このため、四川省政府口岸・物流弁公室と涼山州政府は「京東集団(JD.com)」と共に、「崖村」にドローン(小型無人機)を使用した物流配送作業の展開を模索。交通手段が極めて限られた村のために、「空中の運輸ルート」を始動させた。

「以前は村で病人が出ると、薬を買うためにはしごを伝って山を下りていたが、とても不便で往復には何時間もかかるのです」。住民のモサゴハさんは記者に話した。「ドローンは10分程度で山麓から山頂まで飛んでくる。新しい生活を迎えているような感覚です」。村民たちは、医薬品を山上まで運んでくれるドローンにとても目新しさを感じている。

 この日、「ドローン移動薬局」は村に化膿止めや風邪薬を運んで来た。ジィアルモー郷党委員会のアゴムニュー書記は、「『崖村』は今後、薬品や医療機器などの緊急に必要とされる物に加えて、生活必需品も運搬需要があれば、すべてドローンを使っていくことになるだろう」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News