【12月18日 AFP】「北朝鮮からのお客さんは80%オフ」──パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)のレストランが、こんな破格の大サービスを始めた。エルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を北朝鮮が非難したことへの感謝の気持ちだという。

 ガザ北部ジャバリア(Jabalia)の難民キャンプでサリム・ラバア(Salim Rabaa)さんが経営するレストランの店頭には、「パレスチナの大義のために金正恩(キム・ジョンウン、 Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が果たした役割に感謝して、北朝鮮からのお客さんは80%オフ」との掲示が掲げられている。

 もっとも、北朝鮮の人々が実際にラバアさんの好意を受け取ることはなさそうだ。ガザ地区当局によれば、イスラエルの包囲下にあるガザには北朝鮮国民も、北朝鮮の市民権を有するパレスチナ人もいないという。

 それでもガザでは、今月6日にエルサレムをイスラエルの首都と認定し大使館の移転を発表したトランプ大統領を「老いぼれ」と呼び、「無謀で邪悪な行為だ」と公然と非難したとして、正恩氏の人気が高まりを見せている。

 ラバアさんの新サービスはソーシャルメディア上で物議を醸している一方、来店客数は増えたそうだ。客の一人は「金(正恩)氏のことは大好きだ。なぜなら彼は男として、ヒーローとして米国に立ち向かっているから」と語った。

 ラバアさんは、値引きサービスについて「パレスチナの大義を支持し、トランプ氏の決定を拒否した金氏への」感謝の気持ちを表す「象徴的」なものだと説明。「ガザ地区に北朝鮮人がいないのは知っているが、自分にできることはこのくらいしかない」と述べた。(c)AFP