インド警察、カトリックの聖歌隊と司祭計40人を拘束
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【12月16日 AFP】インドの警察当局は14日、中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州で住民をキリスト教に改宗させようとしていたとして、街頭でクリスマスキャロルを歌っていたカトリック教徒ら32人を含む40人の身柄を拘束した。当局が15日、明らかにした。インドではここ最近、宗教の自由をめぐって懸念が高まっている。
マディヤプラデシュ州サトナ(Satna)の警察当局はAFPの取材に応じ、地元住民から「キリスト教徒の集団に改宗するよう誘われた」との苦情を受け、事情を聴取するためにこの集団を拘束したと述べた。
また警察当局は、32人の拘束理由などを聞きに警察署を訪れた司祭8人の身柄も拘束。その間、警察署の外に止められていた司祭たちの車1台が放火された。印カトリック司教協議会(Catholic Bishops' Conference of India)のセオドア・マスカレンハス(Theodore Mascarenhas)氏は、火を付けたのは右派のヒンズー教徒の暴徒だと主張している。
捜査当局者によると、その後40人全員は釈放されたが、放火に関する逮捕者は出ていない。
インドではこのところ、キリスト教の教会や信者らがヒンズー教の原理主義者に襲撃される事件が相次いでいるとして、少数派のキリスト教徒は警鐘を鳴らしている。同国ではナレンドラ・モディ(Narendra Modi)氏率いる右派政党が2014年に選挙で圧勝して政権を奪還して以来、ヒンズー教の原理主義者が勢いづいているとキリスト教徒らは主張している。(c)AFP