【12月16日 AFP】国連(UN)は中央アフリカへの禁輸措置の例外として、同国にロシアが武器を提供することを承認した。匿名の外交筋が15日、明らかにした。

 中央アフリカは数か月前、現在欧州連合(EU)が訓練している部隊向けの武器提供をロシアに要請し、ロシア政府は2大隊1300人分の装備を供給する意向を示していた。

 英仏米の3か国は承認を保留するよう求め、中央アフリカに送られる武器の追跡を可能にするため製造番号などの情報提出や、2013年から武器禁輸措置の対象となっている中央アフリカ国内での武器の保管に関する措置の強化を求めていた。

 フランスは先月、情勢不安が続く中央アフリカ国内に武器を保管することへの懸念からロシアの要請を阻止。これに対してロシアは武器庫の警備強化と、これから提供する武器を複数回に分けて輸送することを約束した。

 中央アフリカに供給される武器には拳銃900丁、アサルトライフル5200丁、狙撃銃140丁、カラシニコフ(Kalashnikov)の機関銃840丁、携行式ロケット弾発射装置(RPG)270丁、高射砲20門が含まれる。武器の第1便は来週到着し、その後来年2月1日と4月1日にそれぞれ到着する。ロシアは、国連が許可すれば兵士に武器使用法の訓練もしたい意向を示している。

 中央アフリカはイスラム教徒中心の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」によってキリスト教徒のフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領が失脚した2013年以降、混乱が続いている。中央アフリカで活動中の国連の平和維持活動(PKO)部隊の任務は、将来的には同国軍が引き継がなければならない。(c)AFP