流産で殺人罪問われた女性、控訴審判決も30年の実刑支持 エルサルバドル
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【12月14日 AFP】中米エルサルバドルの裁判所は13日、流産したことが殺人の罪に当たるとして30年の実刑判決を受けた女性の控訴審で13日、原判決を支持した。エルサルバドルは中絶を例外なく禁じる法律があることで知られている。
首都サンサルバドル(San Salvador)の裁判所は、すでに10年間服役しているテオドラ・バスケス(Teodora Vasquez)被告(34)の控訴を棄却した。判事の一人は「原判決は支持されるべきとの結論に達した」と述べた。
米人権団体「性と生殖に関する権利センター(Center for Reproductive Rights)」のナンシー・ノーサップ(Nancy Northup)代表は声明で、エルサルバドルの裁判所は「妊娠合併症に苦しむ女性の尊厳、自由、権利を否定し、刑事処罰を与えている」と述べ、今回の判断を厳しく非難した。
ベスケス被告は妊娠9か月だった2007年7月、勤務先の学校で子どもを死産。その際、救急隊員を呼ぼうとしたが意識を失ってしまったと述べている。その後、流産を誘発しようとしたとして起訴され、翌2008年1月に加重殺人罪で有罪判決を受けた。
エルサルバドルでは1998年に施行された法律によって、レイプによる妊娠や出産が危険をもたらす場合を含め、全ての中絶を違法としている。(c)AFP/Oscar BATRES