【12月14日 CNS】湖南省(Hunan)湘潭市(Xiangtan)公安局は11日、臓器売買組織を摘発したと発表した。同省での摘発は初めて。犯罪はインターネットを使い、約10省・市にわたっていた。すでに6人の容疑者を逮捕し、そのほかの関係者に関しても捜査中だという。

 きっかけは、2017年7月にあった尿毒症患者の通報。この患者は親しい知人に紹介され、湘潭市内のある民間病院で尿毒症治療のための腎移植手術を受けたが、50万元(約855万円)以上をだまし取られたと通報した。

 通報を受けた同市警察と市衛生・計画生育委員会で捜査チームを結成し、河北(Hebei)、河南(Henan)両省などで、違法臓器移植の仲介を行う組織の存在が判明し、リーダー格の薛容疑者ら3人を逮捕した。

 調べによると、この犯罪グループは北京市(Beijing)、河南省、湖北省(Hubei)などの臓器売買を仲介する人物と頻繁に連絡を取っていたことがわかった。また、インターネットを通じて臓器提供者と臓器移植を必要とする患者を募集するなどし、民間病院などで移植手術を行い、不当に利益を得ていたことがわかった。

 通報した尿毒症患者は17年5月、仲介役だった別の容疑者を通じ、46万元(約786万円)で腎移植の契約を結び、そのうちの40万元(約684万円)でリーダー格の薛容疑者へと紹介。薛容疑者が手術を行う病院と医師を手配した。

 手術は6月8日夜、湘潭市の民間病院の手術室を借りて、違法に行われた。最終的に尿毒症患者が支払った合計額は50万元を超えた。

 警察によると、犯罪グループはSNSなどで金に困った20歳前後の臓器提供者を物色していたことがわかった。手術は、医療安全を保証する手立てがない状態で行われており、市民の命と健康、安全に深刻な危害をおよぼしていた。(c)CNS/JCM/AFPBB News