【12月9日 AFP】インド警察は7日、イスラム教徒の労働者を殺害した容疑でヒンズー教徒の男1人を逮捕した。逮捕のきっかけとなったのは殺害場面を撮影した動画だった。

 動画には、容疑者の男がつるはしとなたで労働者のアフラズル・カーン(Afrazul Khan)さんを襲った後、灯油をかけて火を付ける場面が映っていた。

 その後動画では、容疑者が「愛による聖戦(ラブ・ジハード)」に対する警告を発しているのが聞き取れた。愛による聖戦とはインドの原理主義者らが使う言葉で、改宗させるためにヒンズー教徒の女性と結婚するイスラム教徒を非難するもの。

 事件が起きたのは西部ラジャスタン(Rajasthan)州。同州ではここ数か月、イスラム教徒に対する襲撃事件が相次いでいる。

 襲撃事件の大半はヒンズー教徒が神聖視する牛肉にかかわるもので、幹線道路をパトロールし、家畜を運搬する車両を調査する「牛の保護」を唱える集団の犯行だ。

 ラジャスタン州警察のO・P・ガルホルタ(O. P. Galhotra)長官は記者会見で、容疑者は殺人罪で起訴されたと明かし、この事件を「凶悪犯罪」と称した。

 警察は殺害場面を撮影していたとされる容疑者のおい(14)の身柄も拘束している。(c)AFP