【12月9日 AFP】米大リーグ(MLB)移籍を目指していた大谷翔平(Shohei Ohtani)が8日、ロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)との契約に合意。通算2度のシーズン最優秀選手(MVP)に輝くマイク・トラウト(Mike Trout)らとチームメートになることになった。

 大谷の代理人を務めるネズ・バレロ(Nez Balelo)氏は声明で「綿密かつ詳細なプロセスを経て、けさ大谷翔平はロサンゼルス・エンゼルスとの契約を決意した」と発表し、同選手への各球団からの熱烈なオファーとMLB移籍をめぐる緊張状態や臆測に終止符を打った。

 今月22日までに大谷との契約を締結することになるエンゼルスは、プロ野球・北海道日本ハムファイターズ(Hokkaido Nippon Ham Fighters)に譲渡金2000万ドル(約22億4000万円)を支払う義務がある。23歳の同選手はマイナー契約となり、「国際ボーナス・プール(米国以外の若手選手と契約する際の契約金額の上限)」でエンゼルスが支払える231万5000ドル(約2億6300万円)を受け取ることになる。

 今月6日にジェイコブ・ピアーソン(Jacob Pearson)外野手をミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)に放出し、資金を100万ドル(約1億1400万円)を増額するなど、エンゼルスは見事な戦略を駆使し、大谷にラブコールを送っていたライバルのシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)、テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)、シカゴ・カブス(Chicago Cubs)、サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)の6球団に勝利した。

 バレロ氏は「数多くの球団がプレゼンに労力を費やしてくれたことに対し、翔平はずっと謙虚に受け止め、光栄に感じていた」とすると、「彼にとって最大の決め手になったのは、市場の規模やタイムゾーン、どちらのリーグということではなく、エンゼルスとの真の絆を感じたことだった」と述べた。

「彼はこの最高の環境で自分が成長し、次のレベルに到達してキャリアの目標を達成できるものと見ている」

 エンゼルスも発表した声明の中で、大谷との契約を「光栄」としており、「ここまでのプロセスで彼とはユニークなつながりを感じていました。彼がエンゼルになることを楽しみにしています」とコメントした。

 米国で「日本のベーブ・ルース(Babe Ruth)」と称されている大谷は、マウンドに立てば時速160キロの速球を誇り、打席に立てば爆発的な打撃力を示す「二刀流」の選手として評価されている。2017年シーズンは足首のけがに悩まされたものの、2016年シーズンは投手として計140回を投げて10勝4敗、防御率1.86の素晴らしい数字を残したほか、打者としても打率.322、本塁打22本を記録した。

 大谷はパ・リーグの日本ハムで5年間を過ごし、打者として出場した合計403試合での通算成績は打率.286、本塁打48本、166打点、出塁率プラス長打率(OPS).859を記録。投手としては合計85試合(先発82試合)で通算42勝15敗、防御率2.52をマークした。(c)AFP