越が共産党元最高幹部を逮捕 国営企業時代の資金運用に誤り
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【12月9日 AFP】ベトナムで8日、同国共産党の最高幹部に当たる政治局員を務めていたディン・ラ・タン(Dinh La Thang)氏(57)が逮捕された。国営石油企業の会長を務めていた期間の資金運用に誤りがあったとされる。国営ベトナム通信(Vietnam News Agency)が報じた。
匿名の情報筋はAFPに対し、タン氏が同国首都ハノイの自宅で逮捕され、「現在は警察の拘束下にある」ことを確認した。
タン氏は今年5月に政治局員の地位を突然剥奪されていた。ベトナム共産党政治局は、国家主席や首相といった首脳を含む共産党幹部で構成される、詳細は不明だが強力な機関。
ベトナムで党中枢のメンバーが失脚するのはまれだが、同国では近年、肥大化した国営企業での汚職や管理能力不足を理由に要職にある人物が相次ぎ訴追されている。
タン氏は政府要職に就く前の2006年から2011年まで国営石油会社ペトロベトナム(PetroVietnam)の会長を務めていた。同国共産党で近年処罰された中で最も地位が高い人物。
当局によると、タン氏は大規模な横領スキャンダルが発覚した同国銀行オーシャンバンク(Ocean Bank)へのペトロベトナムの投資に対する責任を問われているほか、同社傘下のペトロベトナム建設(Petro Vietnam Construction)での巨額損失を引き起こしたとされる。
専門家らによると、ベトナムの政界やビジネス界の要人に対する追求は、実際には汚職や収賄の処罰としてではなく内紛による場合が多い。(c)AFP