【12月8日 AFP】西太平洋の島国パラオ政府は、国外からの訪問者らに対して、環境への配慮を約束する文書への署名を義務付けた。当局はこの革新的な措置が、観光客の急増に伴う環境へのダメージの抑制につながればと期待している。

 世界初とされるこの「パラオ誓約」はパスポートにスタンプされ、観光客は入国時に署名を求められる。

 誓約書は、「客人として、皆さんの美しい島を保護し保全することを誓います」「足運びには慎重さを、行動には思いやりを、探索には配慮を忘れないと約束します」といった文面になっている。

 日本とオーストラリアの中間付近に位置するパラオは、澄み切った海、手つかずのサンゴ礁、豊かな海洋生物を誇る世界有数のダイビングスポットとみなされ、かつては知る人ぞ知る観光地だった。

 しかし近年、観光客が爆発的に増加。主に中国からの訪問者が多く、インフラと環境の両方に負荷がかかってきた。

 自分撮り(セルフィー)のためにカメを捕まえる、もろいサンゴの上を歩く、浜辺にごみを放置するといった行為も見られ、地元住民らの間で怒りが広がっていた。(c)AFP