シリア男性や少年に対する性暴力の「悪循環」の実態、国連が警鐘
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【12月8日 AFP】シリアの男性および少年が、内戦で荒廃した自国の内外で性的虐待の「悪循環」に苦しめられており、その被害は過去の報告よりもさらに甚大な規模に拡大している──。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が7日、報告書で警鐘を鳴らした。
UNHCRは「We Keep It in Our Hearts(自分の心に秘めておく)」と題されたこの新たな報告書で、難民196人の証言と人道援助関係者73人からの聞き取り調査を基に、シリアの男性や少年への性暴力が横行している実態をまとめた。
被害例には、電気ショック、局部にたばこを押し付ける、去勢、集団レイプなどが挙げられている。
シリア男性に対する性暴力は、収容施設や武装集団が設けている検問所だけでなく、難民としての受け入れ先である諸外国でも発生しているとされ、脅迫によって性的関係を強要されたり、雇用者から性的搾取を受けたりしたという訴えもあるという。
UNHCRのアンドレイ・マヒチッチ(Andrej Mahecic)報道官は、シリアの女性や少女が受けた性暴力や強制排除についての報告はこれまでにもあったものの、男性や少年も被害に遭っている事実はあまり知られていないとした上で、性暴力の「悪循環が生まれている」と指摘した。(c)AFP/Maya Gebeily