【12月8日 AFP】ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の選考を行うノルウェー・ノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)のメンバーに反移民を掲げるノルウェー進歩党の前党首が選ばれる可能性が浮上していたが、野党らの反対によってその見込みはなくなった。

 ノルウェー議会はノーベル賞委員会のメンバー5人の選出を任されており、そのうち3人を8日に選び直すことになっていた。

 保守党と連立政権を組んでいる右派ポピュリスト政党の進歩党は、同委員会のメンバーに率直な発言で知られる同党のカール・I・ハーゲン(Carl I. Hagen)元党首(73)を推薦しようとした。

 しかし野党の大半は、ノーベル賞委員会の国家からの独立性を明確に示したいと主張し、ハーゲン氏が同委員会メンバーの候補となることに猛反対。今週、議員やその代理人は同委員会のメンバーになれないとする規定を急きょ公認した。

 ハーゲン氏も代理議員だが、進歩党は同氏を同委員会メンバーに推薦しようとしていた。

 ノルウェー議会のオレミック・トメセン(Olemic Thommessen)議長は7日、「カール・I・ハーゲンが選出されると考える根拠はない」と発言し、進歩党の希望を打ち砕く形となった。

 だが進歩党は今のところ、ハーゲン氏に代わる候補の検討を拒んでいる。

 ハーゲン氏は扇動的な発言で知られ、かつて「少数民族がいない社会が調和の取れた社会だ」と発言している。(c)AFP