ダビンチのキリスト画、本当の落札者はサウジ皇太子
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【12月8日 AFP】11月に米ニューヨークで競売に掛けられ、4億5030万ドル(約510億円)で落札された、イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)作とされる絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)の落札者は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Prince Mohammed bin Salman)皇太子だったことが分かった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が7日、報じた。
同紙が米情報当局筋などの話として伝えたところによると、「MBS」の略称で知られるムハンマド皇太子が代理人を通じてこの絵画を購入したという。
サルマン(King Salman)国王の息子であるムハンマド皇太子は、サウジの石油依存型経済からの脱却などを掲げた経済・社会改革計画「ビジョン2030(Vision 2030)」を推進するなど、着実にその地位を固めつつあるとみられている。
サウジアラビアでは先月、横領と汚職について聴取するとして、王子や大臣、富豪ら200人以上が拘束されており、ムハンマド皇太子が黒幕とされる。
アラブ首長国連邦(UAE)の「ルーブル・アブダビ(Louvre Abu Dhabi)」美術館は6日、「サルバトール・ムンディ」を展示すると発表した。
作品は、ダビンチが1500年ごろにイエス・キリスト(Jesus Christ)を描いたと考えられている。長年、贋作とみなされていたが、2005年に米国での競売の際に本物と鑑定された。(c)AFP