【12月8日 AFP】ドナルド・トランプ（Donald Trump）米政権は6日夜、心と体の性別が一致しないトランスジェンダー（性別越境者）の新兵の米軍入隊再開の一時差し止めを連邦裁判所に請求した。トランスジェンダーの人々の米軍への新規入隊は、来年1月1日から再開される予定となっている。

　トランプ大統領は7月に、トランスジェンダーの人々が米軍で「いかなる役務」に就くことも認めないとツイッター（Twitter）に投稿。次いで、トランスジェンダーの人々の軍入隊禁止を国防総省に命じる大統領令に署名した。

　米各地では抗議デモが相次ぎ、一部の軍人や権利団体はただちに訴訟に踏み切った。その結果、2つの連邦裁判所がトランプ大統領のトランスジェンダー入隊禁止令の仮差し止めを認め、国防総省は2018年1月1日からトランスジェンダーの新兵の受け入れを開始することが決まっていた。

　司法省が6日夜に提出した差し止め請求書は、国防総省では来年1月1日からのトランスジェンダーの新兵受け入れはできないと明確に述べ、受け入れ開始日の先延ばしを求めている。

　もともと国防総省はバラク・オバマ（Barack Obama）前政権時代の決定を受け、今年7月1日にトランスジェンダーの米軍入隊を解禁するはずだった。しかし、ジェームズ・マティス（James Mattis）国防長官はさらなる検討の必要があるとして、受け入れ開始を半年延期していた。

　米政府は今回提出した差し止め請求書の中で「新たな入隊政策を導入すると同時にトランスジェンダーの人々による軍務の包括的調査を完了することを軍に強制すれば、軍のリソースを著しく浪費し、無用の混乱を生むだけだ」と主張している。(c)AFP