【12月7日 東方新報】中国から韓国への旅行ツアーが今年3月に中断して以来、初めてとなる中国人団体観光客32人の一行が2日、北京首都国際空港(Beijing Capital International Airport)から韓国へ出発した。

 このツアー団体は、中国・華北地区で韓国ツアーを扱う最大手、「海涛旅游(Haitao Travel)」が組織したもので、一行は11月30日付で韓国団体旅行ビザを取得。韓国行き団体ツアーの催行が停止されてから8か月ぶりで、再開後の「団体ビザ1号」となった。参加者はすべて北京(Beijing)からの観光客で、アシアナ航空(Asiana Airlines)の飛行機で韓国・仁川国際空港(Incheon International Airport)到着後、ソウル4泊5日ツアーをスタートさせた。

 韓国が米国の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」を配備した問題で、「途牛網(Tuniu、トゥニウ)」、「同程(LY.com)」などのオンライン旅行会社が次々と韓国旅行業務の停止を発表。韓国ツアー商品が消えて中国旅行客が激減し、韓国旅行業界は大きな損害を受けた。

 韓国旅行ツアーが停止されて以降、フェリーなどのクルージング商品も韓国の港への停泊や上陸を選択しなかった。しかし最近になって中韓関係が次第に緩和したことで、関連部門の確認を得られた海涛旅游は航空会社、韓国の提携旅行社などに連絡をし、短期間で韓国旅行業務を再開させた。同社の担当責任者は、「これから徐々に回復していくだろうが、短期間で昨年時の数字まで回復することは難しいだろう」と述べている。

 また、THAADの設置場所を韓国ロッテ・グループが提供したことから、ある業界関係者によると、今後に再開される韓国旅行ツアーの行程では、通常の団体ツアーで訪れる機会の多いロッテ免税店などは、別の企業が運営する店へ変更されるという。(c)東方新報/AFPBB News