アンチェロッティ氏、母国イタリア代表監督への就任要請を拒否
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【12月5日 AFP】サッカー指導者のカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)氏が、2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)出場を逃した母国イタリアの代表監督に就任する気はなく、クラブの指揮官としての立場にあり続けたいとの考えを示した。
イタリアが60年ぶりにW杯本大会出場を逃すという衝撃的な状況に陥り、代表指揮官を解任されたジャンピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)氏の後任として有力候補に挙げられていた58歳のアンチェロッティ氏は、地元テレビ局に対して、「そうだ。イタリアサッカー連盟(FIGC)から連絡があり、彼らと話した」と明かした。
「いま君たちに話している通り、彼らには大勢の人々から代表チームの指揮官に望まれて光栄に思っていると告げた。しかしながら、それはまったく別次元の仕事だ。代表指揮官はクラブを率いるのとはわけが違う。私は毎日のトレーニングや練習の方が好きなんだ。それに、イタリアサッカー界は解決すべき問題が残っている」
これまでチェルシー(Chelsea)やレアル・マドリード(Real Madrid)、ユベントス(Juventus)、ACミラン(AC Milan)などを率いて通算3度の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を成し遂げた経歴を持ち、今年9月の終わりにバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の監督を解任されて以降はフリーとなっているアンチェロッティ氏は、先月辞任に追い込まれたFIGCのカルロ・タベッキオ(Carlo Tavecchio)前会長から次期監督候補として白羽の矢が立てられていた。
「イタリアサッカー界は深刻な問題に直面しており、私は自分一人でそれらを解決できるとは思えない。コーチが責任を負うのは当然のことだが、そういうレベルの話ではない。構造的な問題がある。例えば、欧州の中でなぜわが国のスタジアムだけが一定の基準を満たしておらず、空席が目立つのか?それは、ヴェントゥーラ氏の責任ではない」
「クラブと連盟の利害が衝突しているのは、ドイツやフランス、そしてイングランドも同じだ。しかし、今のイタリアサッカー界に必要なのは、連盟側がクラブ側に権力を行使して、状況改善のために新しいルールを設けることだ。例えば、私はクラブ数を現行の20から18に減らすことでセリエAは大きな利益を得られると考えており、それに賛成票を投じる用意があるクラブが存在するのも知っている」 (c)AFP