【12月4日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王がミャンマーでの迫害を逃れてきたロヒンギャ(Rohingya)難民とバングラデシュの首都ダッカで面会し、今回のアジア歴訪でこれまで使用していなかった「ロヒンギャ」という言葉を使用したことに関し、ミャンマーのソーシャルメディア上では怒りのコメントが投稿された。

 法王は1日にダッカでロヒンギャ難民と面会した後、今回のアジア歴訪で初めてロヒンギャに言及。ただ、前訪問国のミャンマーではロヒンギャという言葉を使わず、同国のラカイン(Rakhine)州から今年8月以降に62万人以上がバングラデシュへ脱出したロヒンギャの難民問題についても、直接の言及を避けていた。

 バチカンに帰国した法王は、ミャンマーでは非公式にロヒンギャ問題を取り上げたと説明。また、ロヒンギャ難民と面会後には涙を流したとも明かし、記者団に対し「私は涙したが、そうとは分からないようにしていた」「彼ら(ロヒンギャ)もまた泣いていた」と語った。

 だが、これらの法王のコメントに対し、ミャンマーの一部のネットユーザーたちは怒りをあらわにしている。

 あるフェイスブックユーザーは法王のミャンマーとバングラデシュでの著しく異なる対応について、「法王は天候次第で色が変わるトカゲのようだ」とやゆ。また、別のユーザーは「彼は宗教指導者だけど、異なる言葉を使い分けているという点ではセールスマンかブローカーのようだ」と皮肉った。(c)AFP