米が「首都エルサレム」承認なら「インティファーダ」再開、ハマスが警告
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【12月3日 AFP】米政府がエルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と承認する動きあるとの報道を受けてパレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)を実効支配してきたイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は2日、米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたり大使館をエルサレムに移転させたりすれば、「インティファーダ(反イスラエル闘争)」の再開をパレスチナの人たちに呼びかけると警告した。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があるエルサレムについてイスラエルは自国の首都、パレスチナ側も将来の独立国家の首都だと双方が譲らず、中東和平交渉ではその帰属や統治の問題が常に障害となってきた。国際社会は、1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領・併合した東エルサレムを含むエルサレムをイスラエルの首都とは承認していない。
だが米国の複数のメディアが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日に現在は他国と同様イスラエルの沿岸都市テルアビブ(Tel Aviv)に置いている米大使館をエルサレムに移すという公約を実行に移す可能性があると伝えた。
パレスチナ住民が投石などでイスラエルへの抵抗運動インティファーダを展開したのは、2000年に当時のアリエル・シャロン(Ariel Sharon)イスラエル首相がエルサレム旧市街にあるイスラム教の聖地アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)を訪問したことを機に勃発した第2次インティファーダが最後。この時にはパレスチナ側に約3000人、イスラエル側に約1000人の死者が出た。
パレスチナ自治政府議長府は1日、AFPの取材に、米国がエルサレムをイスラエルの首都として承認することは「和平プロセスを崩壊」させるものだと述べた。(c)AFP