【12月3日 AFP】中米コスタリカの太平洋側の島で今週、ダイビングをしていた米国人観光客の女性(49)がイタチザメに襲われて死亡した。コスタリカの政府とメディアが明らかにした。

 このサメの襲撃では米国人女性を含むグループを引率していたダイビングガイドのコスタリカ人男性(26)も重傷を負った。

 環境省の声明によると、この事件は11月30日、コスタリカ本土の500キロ沖に位置するココ島(Coco Island)で起きた。ココ島は国立公園に指定されている。

 環境省は今回のサメの襲撃について「孤立した出来事」で、このような深刻な出来事が起きたのは同島では初めてだと強調している。

 コスタリカの日刊紙ナシオン(La Nacion)によると、ガイドの男性は水中でサメの接近に気付き、追い払おうとした。

 しかし男性が率いるグループが水面に出たとき、サメは米国人女性を襲い、両脚をかんだ。ガイドの男性も片脚を負傷した。

 公園管理人のほか、たまたま同じ海域でダイビングをしていた医師たちが駆け付け、この医師らが女性の死亡を確認した。

 負傷したガイドの男性は病院に搬送された。容体は安定しており意識もあるという。男性はナシオンに対し、あのサメはメスだったと思うと語っている。

 イタチザメは太平洋の島々の周辺海域でよく目撃される肉食魚で、若い個体の体には暗い色のしま模様が見られる。他の多くの種類のサメと違って攻撃的で、サメによるヒト襲撃事件の大部分はイタチザメによるものとされる。

 中米の小国コスタリカはカリブ海(Caribbean Sea)と太平洋の両方に面しているのが自慢で、観光業、特に近隣の米国からの観光客に大きく依存している。(c)AFP