2018年国際支援の拠出要請、約2兆5400億円 国連
このニュースをシェア
【12月2日 AFP】世界中で紛争や災害の被害を受ける人が急増する中、国連(UN)は1日、加盟国に対し、2018年の国際支援のために過去最高の225億ドル(約2兆5400億円)の拠出を呼び掛けた。昨年12月に要請した222億ドル(約2兆5000億円)から約1%増となっている。
来年は26か国、1億3600万人近くに支援の必要性が見込まれているが、国連や他の人道支援機関はそのうち最も弱い立場にある約9100万人を支援するための資金を調達しようとしている。
世界で国際支援を必要とする人の数は、昨年の推計より5%以上増えている。干ばつ、洪水、その他の気象災害による人道支援の必要性は引き続き見込まれる。だがマーク・ローコック(Mark Lowcock)国連事務次長(人道問題担当)兼緊急援助調整官は、2018年も支援する必要が最も大きいのは紛争、特に長期化している紛争だと強調した。
人道支援が必要とされている状況の一覧を見ると、76億6000万ドル(約8630億円)という巨額の支援ニーズが発生しているシリア内戦が突出している。シリア内戦だけで、来年分として要請された支援総額の3分の1以上を占めている。
次いで支援を必要とするのは同じく内戦が続くイエメンで、25億ドル(約2800億円)の拠出が求められている。ただし、この額ではイエメンで支援を必要とする2220万人のうち半数以下の1080万人ほどのニーズしか満たすことができないと、国連は認めている。
しかし、国連が要請した拠出額が達成される見込みはほぼない。昨年は222億ドルの要請額に対し、世界各国から実際に拠出されたのは半分をやや上回る130億ドル(約1兆4600億円)にとどまった。(c)AFP/Nina LARSON