【12月1日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の本格的なカウントダウンが、同国大統領府(クレムリン、Kremlin)で1日に行われる組み合わせ抽選会で始まる。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も出席するとみられている抽選会では、どんな対戦カードが組まれ、いつどこの会場で試合が行われるのかが判明する。

 この10年間の個人賞を総なめにしているリオネル・メッシ(Lionel Messi)とクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)をはじめ、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)らサッカー界を代表するスーパースターたちは、クレムリン宮殿で現地時間の同日午後6時(日本時間2日午前0時)から始まるドローで、それぞれの代表チームとW杯の栄光の間に、誰が立ちはだかるのか見守ることになる。

 1962年にブラジルが成し遂げて以来の大会連覇を目指すドイツがどの国と対戦するのかにも注目が集まる中、メッシを擁するアルゼンチンとロナウドがプレーするポルトガルは、両選手にとってW杯でトロフィーを掲げる最後の機会になることが確実な今大会で、厳しいドローを引き当てることは避けたいと願っている。

 ポッド1にはドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランス、ポルトガル、ベルギー、ポーランド、そして開催国ロシアが入っており、これらの国はグループリーグで互いに激突することは避けられるとはいえ、2010年大会覇者でフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督の下で再建中のスペインや、強豪イングランドはポッド2に入っているため、同じグループで対戦する危険が待ち構えている。

 ロペテギ監督は、「何が起ころうとも、われわれは喜んで受け入れるし楽しみだ。どこと当たりたいとか当たりたくないとか考えるのは、エネルギーの無駄になってしまう」と述べたが、スペインとイングランドはポーランドやロシアと同組に入ることを神に祈っているに違いない。

 計32か国が参加する今大会では、国際サッカー連盟(FIFA)の規則で同一地域の国とは同じグループに入らないように8つのグループに振り分けられるが、14か国が出場する欧州は例外となっている。そのため、各グループのほとんどには欧州代表が2か国ずつ入ることになっており、イングランドやスペインが、大会序盤から強豪のドイツやフランスと対戦する可能性もある。

 ブラジル代表のチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督は、「厳しいグループに入ったことで、決勝ラウンドでは力が発揮できることもある」という認識を示した。

 今回の抽選会には、オスカル・タバレス(Oscar Tabarez)監督が体調不良で欠席するウルグアイと、指揮官が不在となっているオーストラリアを除いて32か国中30か国の監督が出席することになっている。

 元フランス代表で、母国の指揮を執ったこともあるローラン・ブラン(Laurent Blanc)氏は、「ドローが行われる前には、何もできることはない。ただ待つだけだ。W杯で優勝するには運も必要になるので、すべてはドローから始まる」とコメント。抽選会では、同じくW杯優勝経験を持つゴードン・バンクス (Gordon Banks)氏をはじめ、ファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏、カルレス・プジョル(Carles Puyol)氏、そしておなじみのディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏らと抽選のアシスタントを務めることになっている。

 このほかでは、W杯歴代1位の通算得点を誇るドイツのミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)がトロフィーを披露し、元イングランド代表のストライカーでテレビ司会者に転身したギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏が現地の女性ジャーナリストとともに抽選会の司会を務めることになっている。(c)AFP/Andy SCOTT and Dmitry ZAKS