【12月1日 AFP】ノルウェーの首都オスロで10日に開かれるノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の授賞式に、核保有国ほぼ全ての駐ノルウェー大使がこれまでの慣例を破り、出席しないことが明らかになった。選考を行うノルウェー・ノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)の事務局に当たるノーベル研究所(Nobel Institute)が11月30日、発表した。

 今年のノーベル平和賞は、核兵器禁止条約の制定に貢献した国際的なNGOの連合体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に贈られることが決まっている。ICANのベアトリス・フィン(Beatrice Fihn)事務局長は「英米仏の大使が出席しないことに失望している」と述べた。

 核兵器禁止条約は今年7月、国連(UN)で122か国の賛成多数で採択されたが、核保有国は全て参加していない。

 米英仏は先週、オスロで行われた協議で、授賞式には大使の代理が出席するとノーベル研究所に伝えていた。ノーベル研究所のオラブ・ニュルスタッド(Olav Njolstad)所長はAFPの取材に、大量破壊兵器を禁止する「核兵器禁止条約とICANに対し、控えめな姿勢を示すよう大使らは明らかに指示されている」との見方を示した。

 核保有9か国のうち、大使が出席するのはロシアと、公式には核保有を認めていないイスラエルのみ。ノーベル研究所によると、インドとパキスタンは授賞式の日に大使が外遊中のため欠席する。中国は2010年に民主活動家の劉暁波(Liu Xiaobo)氏が平和賞を受賞して以来、出席を見送っており、北朝鮮はオスロに大使を置いていない。(c)AFP