米国の子どもの約6割、35歳までに肥満に 研究
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【11月30日 AFP】米国の子どもの57%以上は、体重増加や不適切な食習慣といった現在の傾向が続いた場合、35歳までに肥満になる恐れがあると科学者らが29日、警鐘を鳴らした。
米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された研究によると、肥満リスクは正常な体重の子どもたちの間でも高いという。
米ハーバード大学(Harvard University)の研究チームが率いた同研究では、「35歳までに肥満になる確率が50%未満なのは、現時点で健康な体重の子どもたちのみ」とされた。
連邦保健当局は、体格指数(BMI、身長と体重から算出される肥満度を測るための指標)が30以上の人を肥満と定義しており、これに照らし合わせると米成人の約36.5%が肥満と考えられる。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国で肥満の人にかかる医療費は、年間1470億ドル(約16兆円)を超えるという。
研究では、米国の子どもや成人4万1000人以上を代表標本に行われた調査結果5件から得られた身長と体重のデータを基に、将来の傾向を予測するシミュレーションモデルを作成した。
その結果、2歳の時点で肥満の場合だと成人後も4人に3人が肥満である可能性が高いことが分かった。また米国の子ども450万人が該当するとされる重度の肥満の場合では、成人後に正常体重となる確率は20%にとどまるという。
体重に見る人種間の差は2歳の時点で既に現れていた。アフリカ系やヒスパニック系で肥満率がより高く、この傾向は成人期でも同様にみられるという。(c)AFP