北朝鮮が弾道ミサイル発射、高度4000キロ超 首相「圧力最大限に」
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【11月29日 AFP】(更新)北朝鮮は29日、弾道ミサイルを発射した。韓国軍が発表した。米国防総省によると、発射されたのは大陸間弾道ミサイル(ICBM)で、約1000キロ飛行し、日本海にある日本の排他的経済水域(EEZ)に着水した。
安倍晋三(Shinzo Abe)首相は「このような暴挙は断じて容認できない」と非難。「わが国はいかなる挑発行為にも屈することなく、(北朝鮮への)圧力を最大限に高める」と記者団に語った。
安倍首相は政府がミサイルの動きを「完全に把握していた」とし、北朝鮮に対して厳重に抗議したことも明らかにした。
韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は平安南道(South Pyongan Province)から東に向けてミサイルを発射。韓国聯合(Yonhap)ニュースは同本部からの情報として、韓国軍が対抗措置として「精密攻撃」ミサイル発射演習を実施したと伝えた。
米国防総省は、ミサイル発射により北米や米領土、米国の同盟諸国への脅威は生じなかったとしている。だがジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は、ミサイルの高度は過去最高に達したと指摘し、「全世界を脅かす」こともあり得る進展だとの見解を示した。
小野寺五典(Itsunori Onodera)防衛相は記者団に対し、高度が「4000キロをはるかに超えていた」と述べた。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は発射を受け、「われわれは対処する」と警告。レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官は、北朝鮮の核問題の解決に向けた外交的手段は依然として「実行可能」だと強調した。
また米国によると、国連安全保障理事会(UN Security Council)は、日米韓3か国の要請を受け、緊急会合を29日午後4時半(日本時間30日午前6時半)に開くことを決めた。
北朝鮮によるミサイル発射は2か月ぶり。先週には、米国が北朝鮮に対し新たな制裁を科すとともに、同国をテロ支援国家に指定したばかりだった。
韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン、Cho Myoung-Gyon)統一相は前日の28日、北朝鮮がミサイル発射を準備している可能性が報じられたことを受け、同国での「注目すべき動向」が検知されたことを認めていた。(c)AFP