【11月28日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)は27日、チームの成績不振を理由にヴィンチェンツォ・モンテッラ(Vincenzo Montella)監督を解任し、後任の指揮官にジェンナロ・ガットゥーゾ(Gennaro Gattuso)氏を指名した。

 通算7度の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を誇るミランは、26日のトリノ(Torino FC)戦でスコアレスドローに終わり、現在リーグ首位のナポリ(SSC Napoli)に勝ち点18差の7位に低迷している。クラブは声明でモンテッラ前監督に感謝すると同時に「チームの指揮をガットゥーゾ氏に委ねる」とコメントした。

 現役時代にはミランの全盛期を支えたメンバーの一人だったものの、指揮官としての経歴に乏しい39歳のガットゥーゾ氏は、チームに所属していた1999年から2012年まで合計468試合に出場。「リーノ(Rino)」の愛称で呼ばれ、その言いたい放題の物言いや荒々しいプレースタイルで知られる激しいMFとして活躍した。

 ミラン時代にセリエAと欧州チャンピオンズリーグでそれぞれ2度の優勝を経験しているガットゥーゾ氏は、イタリア代表としてマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏の下で2006年W杯ドイツ大会でも優勝を果たし、大会ベストプレーヤーの一人にも選出された。

 ガットゥーゾ氏は現役引退後、スイス・スーパーリーグ(1部)のFCシオン(FC Sion)をはじめ、セリエAのパレルモ(US Citta di Palermo)や下部リーグACピサ1909(Associazione Calcio Pisa 1909)、ギリシャのOFIクレタ(OFI Crete)などの指揮官を経て、ミランの下部組織を率いていた。

 ミランは過去4シーズンではリーグ6位が最高成績となっているものの、今夏には中国人投資家のリー・ヨンホン(Li Yonghong)オーナーが2億3000万ユーロ(約304億円)を投じ、ユベントス(Juventus)から移籍金3800万ユーロ(約50億2000万円)でレオナルド・ボヌッチ(Leonardo Bonucci)を獲得したほか、同様の金額でFCポルト(FC Porto)からアンドレ・シウバ(Andre Silva)、バイヤー・レバークーゼン(Bayer Leverkusen)からハカン・チャルハノール(Hakan Calhanoglu)らを引き抜いた。

 しかし、これらの「爆買い」にもかかわらず、モンテッラ前監督は元伊大統領のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏がオーナーを務めていた時代のような全盛期の強さを取り戻すことができず、わずか17か月で本拠地サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)を去ることになった。(c)AFP