【11月27日 AFP】オーストラリアの著名なテレビパーソナリティー、ドン・バーク(Don Burke)氏(70)をめぐり、強制わいせつ行為やセクシュアルハラスメント、いじめなどの被害を受けたと複数の女性が訴えていることが27日、明らかになった。テレビ界の重鎮の一人は、バーク氏について「下品でひどく不愉快な男」だと証言している。

 豪ABC放送とフェアファックス・メディア(Fairfax Media)が合同で行った調査では、1980年代後半~90年代にバーク氏と仕事をした複数の女性たちの詳細な証言が浮かび上がった。女性たちはバーク氏について、「精神的に問題があり、弱い者いじめをする人物」で「性犯罪者」だと断じている。

 ABCの報道によると、元リサーチャーの女性2人がバーク氏に胸をまさぐられたと訴えている。また若手女優1人が、上半身裸でオーディションを受けなければならないと言われたと主張している。

 リサーチャーの一人は、バーク氏から獣姦(かん)の映像を見せられたり、服を脱がされ胸を触られそうになったりしたと証言した。

 バーク氏は、オーストラリアのメディアシーンで長年活躍している著名人で、17年続いた高視聴率のガーデニング番組「バークズ・バックヤード(Burke's Backyard)」への出演が最も有名。現在もガーデニングのアドバイザーとしてテレビやラジオによく登場する。女性たちの主張については「事実無根」だと反論し、「痛烈な皮肉だ。私は生涯を通じて性差別と女性蔑視に反対してきたのに」と述べている。

 だが、テレビ界の重鎮たちからは女性たちの主張を裏付けるコメントも出ている。

 豪民間テレビ局ナイン・ネットワーク(Nine Network)の最高経営責任者(CEO)を以前務めていたデービッド・レッキー(David Leckie)氏はバーク氏について、普段から態度が不快だったと証言。「下品でひどく不愉快な、最低の男だ。本当に嫌なやつで、実にいやらしい男だった」と激しく非難し、米ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏のセクハラ疑惑に言及して「ワインスタインのような人物について考えたとき、まず思い付くのがバークだ」と語った。(c)AFP