チャーがWBAヘビー級王座獲得、銃撃受けるなど2度の挫折乗り越え
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【11月27日 AFP】ボクシング、WBAヘビー級王座決定戦は25日、ドイツ・オーバーハウゼン(Oberhausen)で行われ、2年前に銃撃を受けたマヌエル・チャー(Manuel Charr、ドイツ)が判定の末3-0(114-111、116-111、115-112)でアレクサンドル・ユスティノフ(Alexander Ustinov、ロシア)を下し、母国に85年ぶりとなる同級王座をもたらした。
空位となっていたタイトルを手にしたチャーは「なんと言えばいいだろう、ドイツが世界王者。このタイトルを、チャンスを与え育ててくれた国、ドイツにささげる」と語った。
ドイツ人ボクサーがヘビー級王座を獲得するのは、1930年から32年まで王者だったマックス・シュメリング(Max Schmeling)氏以来となった。
アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)がWBAの同級スーパー王者となっており、チャーが対戦する可能性もある。
レバノン・ベイルート生まれで、5歳の時にドイツへやってきたチャーは、そのキャリアを断たれる可能性もあった2度の挫折から見事に立ち直った。2015年9月、チャーは口論の最中に腹部を銃撃されて生命の危機に立たされたが、その7か月後に再びリングに立った。さらに、今年に入りチャーは両股関節を置換しなければならないとう悲劇に見舞われていた。
チャーは「この2年間で、撃たれたり、新しい股関節を手に入れたりしてきたが、歯を食いしばってきた。医者は奇跡だと言っていたよ」と語った。
身長2メートル2センチで、体重は22.5キロも重かったユスティノフを相手にチャーは6回まで苦しんだ。しかし、ユスティノフが疲れをみせると巻き返し、8回には左フックで相手に膝をつかせるなどし、見事な勝利を収めた。(c)AFP