【11月27日 AFP】米たばこ各社は26日、喫煙が原因で1日平均1200人の米国人が死んでいると認める新聞広告を掲載した。米連邦地裁は11年前、米たばこ業界が喫煙の危険性について国民を欺いていたとして「是正声明」を公表するよう命じていたが、業界側が表現をめぐって争っていた。

 新聞の全面広告には、黒い文字で「連邦地裁はR・J・レイノルズ・タバコ(R.J. Reynolds Tobacco)、フィリップ・モリスUSA(Philip Morris USA)、アルトリア(Altria)、ロリラード(Lorillard)に対し、喫煙による健康被害についてこの声明を掲載するよう命じた」「喫煙で平均1200人の米国人が死んでいる。毎日」などと書かれている。

 連邦地裁のグラディス・ケスラー(Gladys Kessler)判事は2006年、米たばこ業界は喫煙が健康にもたらす危険性について何十年にもわたって国民を欺き、法を犯して金儲けをしていたと認定。5つの健康項目について是正声明を公表するよう命令した。

 しかし、メーカー側が広告に掲載する具体的な表現をめぐって提訴したため、棚上げ状態になっていた。2014年になって、政府とメーカーが主要な日曜紙やゴールデンタイムのテレビ広告で1年間にわたり啓発キャンペーンを行い、たばこのパッケージにも警告を掲載することで合意したという。(c)AFP