【11月27日 AFP】サッカー中国スーパーリーグ(1部)の上海申花(Shanghai Shenhua)に鳴り物入りで加入した元アルゼンチン代表のカルロス・テベス(Carlos Tevez)が、わずか11か月で中国を去ることが確実になった。チームは26日に行われた中国FAカップ(CFA Cup)でタイトルを獲得したが、メンバー外のテベスはすでにアルゼンチンへ帰国。指揮官から明確な言葉はなかったものの、同選手の中国でのキャリアはほぼ間違いなく終了したとみられている。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やマンチェスター・シティ(Manchester City)、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)で活躍した現在33歳になるテベスは、2017年1月に上海申花に入団し、推定週給73万ユーロ(約9650万円)の世界最高給を受け取っているとされていた。しかし、国内リーグでは全試合の半分にしか出場せず、得点もわずか4ゴールにとどまった。

 上海申花は26日、同都市のライバル上港上港(Shanghai SIPG)との決勝を制し、中国FA杯を獲得したが、第1戦と第2戦でテベスに出番は訪れなかった。チームの指揮を執る呉金貴(Jingui Wu)監督は、第2戦の登録メンバーを外れたテベスが帰国の途に就いたことを明かし、「メンバーに入らなかったので、彼はアルゼンチンに戻る決断を下した。あれほどの選手だから、気持ちはわかる」と語った。

 シーズン途中にグスタボ・ポジェ(Gus Poyet)前監督から指揮官の座を引き継いだ呉監督は、テベスを太りすぎだと断じ、減量できるまでは起用しないとも話していた。中国のサッカーファンもすっかり幻滅し、何かあるたびに母国へ戻りたがるテベスに対して「ホームシック少年」のレッテルを貼っていた。

  呉監督は「テベスはこれまでチームに大きく貢献してくれた。特にFAカップでね。彼はまわりが言うような人間ではない。練習熱心で、午前と午後の二部練習も行っていた。素晴らしい仕事をしてくれたし、技術的に最高の選手だ」とコメントした。

 テベスは古巣のボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)復帰がうわさされている。(c)AFP