【11月27日 AFP】米議会で最長の議員歴を誇り、市民権運動の象徴的指導者の一人でもあるジョン・コンヤーズ(John Conyers)民主党下院議員(88)は26日、同院の司法委員を辞任すると発表した。コンヤーズ議員に対しては、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑が持ち上がっている。

 コンヤーズ議員は、委員は辞しても疑惑については否定しており、「自分自身と家族のため、下院倫理委員会で」身の潔白を証明するとしている。議員辞職の意向は示していない。

 コンヤーズ氏は米ミシガン(Michigan)州選出で、地元選挙区にはデトロイト(Detroit)の半分が含まれる。1960年代のリンドン・ジョンソン(Lyndon Johnson)政権時代から議員を務めているのは上下院でもコンヤーズ氏だけで、連邦議会黒人幹部会(CBC)の共同創設者の一人でもある。

 倫理委の幹部らは21日、コンヤーズ議員によるスタッフへのセクハラまたは差別行為、および公金の「容認できない私的流用」の疑惑について、調査する方針を示していた。

 米国では、セクハラや不適切な性的行為の問題が、メディアや芸能界にとどまらず、民主・共和両党の政治家らにも広がっている。アル・フランケン(Al Franken)上院議員の辞任や、アラバマ(Alabama)州上院議員補欠選挙の共和党候補、ロイ・ムーア(Roy Moore)氏の選挙戦からの撤退を求める圧力も徐々に強まっている。(c)AFP