【11月26日 AFP】南大西洋の英国領セントヘレナ(Saint Helena)島に生息するゾウガメの「ジョナサン」は、おそらく存命する陸生動物では世界最高齢だ。遠路はるばるこの孤島を訪れてでもジョナサンを見たいと思う観光客も少なくないだろう。

 正確な年齢は誰にもわからないが、ジョナサンの推定年齢は185歳。この10月、南大西洋の孤島だったセントヘレナについに飛行場がオープンしたことから、ジョナサン目当ての観光客が大挙すると予想される。

 セントヘレナ島で最も有名な住民のジョナサンは、総督の邸宅の緑豊かな庭でのんびりと暮らしている。ジョナサンの食事は総督邸の厨房で用意されたニンジンやレタス、キュウリ、リンゴ、洋ナシなどだ。

 5ペンス硬貨や入国スタンプの図柄にも描かれ、20世紀初めの白黒写真にはボーア戦争(Boer War)の捕虜とともに写っている。

 ジョナサンは西インド洋のセーシェル(Seychelles)生まれとみられているが、セントヘレナ島にやってきた経緯は謎のままだ。フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)が流刑され1821年に死を迎え同島に来た年にも諸説あり、不確実な情報ながら1882年とする説もある。

 人口4500人の同島でただ一人の獣医師であるキャサリン・マン氏によれば、ジョナサンはゾウガメの平均的な寿命150歳を大幅に超えており、目は見えず嗅覚もほとんど失っているが、それ以外は健康状態も良好で聴覚も衰えていない。

 ジョナサンが著しく長寿である理由は、ストレスがなく空気もきれいなセントヘレナ島の環境によるところが大きいのではないかと、マン氏はみている。(c)AFP/Beatrice DEBUT