【11月25日 AFP】国連(UN)の「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for the Elimination of Violence Against Women)」前日に当たる24日、イタリアの警察当局は、女性が犠牲となる殺人事件を減らすことを目指したキャンペーンを開始した。

 イタリアでは近年、全体的な殺人件数は減っているものの、女性が殺害される事件の割合は依然として多い。2007年の統計では、女性が犠牲となった殺人事件は150件、昨年は149件でほとんど変わっていない。一方、殺人事件全体に対する女性が犠牲となった事件の割合は、10年前の24%から37%と増えている。

 被害者が女性だったことにすべての事件が動機付けられるわけではないが、性的暴行やドメスティック・バイオレンス(DV)は全体の中で重要な要素となっている。

 またこうした種類の犯罪の公式統計は、氷山の一角とも言われている。女性に対する暴力犯罪に立ち向かうためのガイドラインの最新版によると、被害に遭った女性は「自分が非難されることへの恐れ」や「性生活の詳細が暴露されることに感じる恥辱」などから、告訴することをためらうことが多いという。(c)AFP