【12月30日 AFP】交際相手を探すためのイベント、いわゆるカップリングパーティーでの雰囲気をさらに盛り上げようと、英ロンドンのあるイベント主催者が、昔ながらのボードゲーム「スクラブル(Scrabble)」のルールにちょっとしたスパイスを加えた──。世界中にファンがいるこの人気ボードゲームを、エロチックな言葉のゲームに変えたのだ。

 先ごろ開催されたスピードデートのイベント「ダーティー・スクラブル(Dirty Scrabble)」では、幅広い年齢層の独身者らが、ロンドン西部ハマースミス(Hammersmith)地区にあるこぢんまりとしたパブのラウンジに集まった。流行の音楽、薄暗い明かり、キャンドル、カクテル、そして際どいゲーム。ロマンスが花開くすべてがそろっていた。

 スピードデートをみだらな言葉遊びと組み合わせるアイデアは、「思いつきのとっぴなイベント」を企画する会社「スマッジド・リップスティック(Smudged Lipstick)」の創立者、ジョーディ・シンクレア(Jordi Sinclair)氏が考案した。35歳のある女性参加者は、際どい言葉は会話をオープンにすると語った。

■「緊張がほぐれる」

 スクラブルは最大限の集中力を必要とする忍耐の要るゲームだ。時間制限の中でめまぐるしく進行するスピードデートには似つかわしくないようにみえる。そこでシンクレア氏は、スクラブルのエロチックバージョンのために、新たに最小限のルールを考案した。使えるコマの枚数を増やし、つづりは自由に変更可能とした。さらにゲーム参加者全員が恥の意識を捨てられることを願い「恥のあるところに喜びはない」という格言を掲げた。

「できるだけひわいになるよう工夫した。アルコールが1、2杯入ると、いっそう際どくなる」と同氏は言う。「クリエーティブに、みだらな新語をつくってもいい」

 スピードデートの形式に忠実に、参加者はテーブルからテーブルへ、7分間のゲームごとに移動する。ボード上には、意図的にせよ偶然せよ、思わずニヤニヤとしてしまう単語がつながっていく。

 ピンクのセーターを着た男性参加者のニールさん(40)は、「ひどい単語もいくつかあったね」と述べる。「だけど楽しいし、皆リラックスしてた。時にはおかしな言葉を使うことで笑ったり、緊張がほぐれたりする。垣根が取り払われる感じ」

 デジタル時代となり意思疎通のすべが失われていると感じているというニールさん。だから「ダーティー・スクラブルのような会話を強いる」ものは何でも歓迎だと話した。