中南米で女性と同性愛者のHIV感染拡大、背景に暴力と差別 国連
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【11月24日 AFP】中南米諸国の女性や同性愛者の間でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染が拡大しており、主な要因はこれらの人々に対する暴力や差別のまん延だと、国連合同エイズ計画(UNAIDS)のルイス・ロウレス(Luiz Loures)事務次長がAFPのインタビューで指摘した。
HIV感染者の支援団体が主催するフォーラムに出席するためコスタリカの首都サンホセ(San Jose)に滞在中のロウレス氏は今週、「感染者の増大は、共に差別の中で日々暮らしている若い女性や同性愛者男性の間で起きている」と述べた。差別のため予防プログラムに参加できないためだという。
アフリカなど他地域ではHIV感染者数は減少傾向にあるが、中南米では一定の水準から一向に減少しないことが懸念されている。
ロウレス氏はフォーラムで、中南米の若い女性に対する暴力の発生率の高さとHIV感染率の高さには明らかな相関性があると指摘。「われわれの統計には、暴力のあるところにはHIVもあることが明示されている」「暴力を受けている女性は、そうでない女性と比べてHIV感染リスクが30~50%高い」と述べた。
さらに、南米では若い女性の3割以上が身体的暴力や性暴力の被害経験を告白しているとして、この割合について「非常に高く、大変心配だ」と懸念を示した。
UNAIDSによると、中南米諸国の女性のAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)患者は2016年時点で約54万人で、うち7万3000人が15~24歳だった。また、中南米全域のHIV感染者数は合わせて180万人に上ったという。(c)AFP/Marco SIBAJA