【11月18日 AFP】北朝鮮の首都・平壌で金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の側近と中国の特使が会談した。両国が18日、発表した。北朝鮮の核問題をめぐり両国の間には深い溝が生じているが、両者は長年の緊密な関係を強調した。

 中国共産党中央対外連絡部の宋濤(ソンタオ、Song Tao)部長は習近平(Xi Jinping)国家主席の特使として、先月開催された中国共産党大会やその他「共通の関心事項」について話すために平壌を訪問したとみられている。中国から北朝鮮への高官派遣は1年以上ぶり。

 宋氏は17日、北朝鮮のナンバー2、崔竜海(チェ・リョンヘ、Choe Ryong-Hae)朝鮮労働党副委員長と会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発問題をめぐるこう着状態の打開を図ったものと期待されている。

 北朝鮮の核問題をめぐり、かつて毛沢東(Mao Zedong)が「くちびると歯のように近い」と表現した両国は現在、微妙な関係にあり、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は中国に対し、北朝鮮に圧力をかけるよう求めている。

 だが中国共産党の報告では、会談ではこれらの問題についてはまったく触れられておらず、相互の関係は「両国の国民にとって共通の宝だ」など、長年の両国関係を強調する型通りの言葉が並んだ。

 声明の要旨では「両党(中国共産党と朝鮮労働党)は協調して、2党間、2国間の関係発展を促進し、2つの国の国民が恩恵を受けるようにしなければならない」とされている。

 また北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)の報道によると、宋氏は北朝鮮側に対し、中国は「2党、2国間の伝統的な友好関係を発展させたがっている」と伝えたという。(c)AFP