【11月17日 AFP】(写真追加)イタリア南部シチリア(Sicily)島を拠点とするマフィアの中で最も恐れられた「ゴッドファーザー」の一人で、「ボス中のボス」と呼ばれたサルバトーレ・トト・リーナ(Salvatore "Toto" Riina)受刑者が17日早朝、がんとの闘病の末に死亡した。現地メディアが報じた。

 伊ANSA通信や複数の主要紙によると、リーナ受刑者は2度の手術を経た後に病状が悪化し、人工的昏睡状態に置かれていたが、17日午前4時(日本時間同日正午)前、同国北部パルマ(Parma)にある病院の受刑者棟で死亡した。前日は87歳の誕生日だった。

 その残虐さから「野獣」の異名をとったリーナ受刑者は1930年11月16日、映画『ゴッドファーザー(Godfather)』で有名になったパレルモ(Palermo)近郊の村、コルレオーネ(Corleone)の貧しい農民の一家に生まれた。1970年代にシチリア島の有力マフィア組織「コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)」の実権を握ると、約20年に及ぶ抗争と暗殺の時代を率いた。150件以上の殺人を命じたとされ、26回分の終身刑を言い渡された。

 中でも300人以上のマフィアを摘発したジョバンニ・ファルコーネ(Giovanni Falcone)判事とパオロ・ボルセリーノ(Paolo Borsellino)判事を1992年に爆殺した事件がよく知られていた。

 また、マフィアの秘密を明かそうとした男性の息子である13歳の少年を誘拐し、絞殺した上に遺体を酸で溶かして処理した事件なども知られている。(c)AFP/Ella IDE