豪少年院、アボリジニの子どもたちを虐待 トイレにも行かせず
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【11月17日 AFP】オーストラリア北部の少年院で、先住民アボリジニの子どもたちが「衝撃的」な扱いを受けていることを示す調査結果が17日、公開された。同国では近年、先住民の子どもたちに対する暴力を中心とする暴行の映像が明るみに出され、世論の怒りを呼んでいる。
オーストラリア政府は昨年、王立委員会に少年院の調査を命じた。今回の報告によると、少年院に収容されている子どもたちは身体的虐待を受けたり、屈辱的な行為を求められたりし、後者は時に金銭と引き替えで要求されてもいた。食事や水分補給、トイレの使用といった最低限必要な生活行為さえ認められていない場合もあった。さらに懲罰目的で不適切な隔離が行われ、非常に大勢の若者たちに苦痛を与え、後に残る精神的ダメージを負わせていることも発覚した。
調査のきっかけとなったのは、北部特別地域(Northern Territory、準州)のドン・デール少年院で2014年と翌15年に撮影された映像を豪ABC放送が放映したことだった。映像には子どもたちが催涙ガスを浴びせられたり虐待を受けたりする様子が映っていた。
中には、頭からフードをかぶせられた17歳の少年が椅子に縛り付けられているという、キューバ・グアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にある米海軍基地収容所での容疑者の扱いをほうふつとさせる映像もあった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、オーストラリアでアボリジニの子どもが少年院に収容される確率は非先住民の子どもの24倍に上る。昨年公表された政府関連の報告書によると、アボリジニの子どもたちの少年院への入院率は過去15年間で77%増加している。(c)AFP