【11月16日 AFP】(更新)今年6月、英首都ロンドンの高層住宅で発生した大規模火災について、警察は16日、科学捜査の「限界を押し広げた」徹底捜査の結果、死者数は70人と結論付けたと発表した。警察の記録ではこのほか死産の赤ちゃん1人も火災の犠牲者とされているが、検視に基づく最終的な死者数には含まれなかった。

 火災は6月14日、ロンドン西部の「グレンフェル・タワー(Grenfell Tower)」で発生。建物内部には当時293人がいたとされるが、火は急速に広がり、唯一の避難経路に煙が充満した。

 ロンドン警視庁(Metropolitan Police、Scotland Yard)のスチュアート・カンディ(Stuart Cundy)氏は、「われわれが入念な捜索と収容、身元の特定を行う間、一部の家族や最愛の人たちが経てきた苦悶(くもん)と不安は想像を絶する」と語るとともに、「グレンフェル・タワー内部で作業してきた専門家チームと検視官らは、科学的に可能な領域の限界を押し広げて身元特定に努めた」と述べた。

 先に警察は捜査の途上で、当初400人とされていた行方不明者の絞り込みを行い、死者数は80人前後になるとの見通しを示していた。(c)AFP