【11月16日 AFP】軍が実権を掌握したジンバブエの首都ハラレでは、多くの人々がロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)の長期政権が幕を閉じつつある可能性に驚きと喜びを表す一方で、今後の見通しが不透明であることを認める人もいる。

 ジンバブエ独立を率い、1980年から政権を握ってきたムガベ大統領に対し、軍が突然反旗を翻したことを受け、国民の間では圧政を敷いてきたムガベ政権が間もなく崩壊することを期待する声が上がっている。

 主婦のケレセンジア・モヨさん(65)はAFPの取材に「こうなったことに、私たちは喜んでいる」と語った。ムガベ政権下では反対派弾圧や汚職、不正選挙が起きたものの、モヨさんはムガベ氏が安全な形での出国を許されてもかまわないと語った。

 ムガベ氏は現在、自宅軟禁下に置かれているが、軍はクーデターを否定し、ムガベ氏が今も大統領の座にあると説明している。

 大学生のカレン・ムベラニさん(21)はAFPの取材に、「これがどういう意味なのか分からないし、どうすればよいのかも分からない」と語った。「私たちには、今後どこに向かうのかという方向性が必要だ」

 ハラレ市内では、重大な政変が起きたことを示す様子はあまり見られない。多くの人が露天市を訪れたり、ミニバスで通勤したり、銀行の前に行列を作ったりしている。

 失業中のタファズワ・マサンゴさん(35)は「彼(ムガベ大統領)は国にとって邪魔な存在になっていた。指導者としての自分の立場に固執する独裁者だった」と語る。「国の経済は日ごとに悪化している。雇用がなく、仕事がない」

「ムガベ時代を終えて、ジンバブエがより良い国になることを、私たちは望んでいる。私たちはとても幸せな気分。彼が去るときが来た」(マサンゴさん) (c)AFP/Reagan MASHAVAVE