【11月16日 AFP】ロシア下院は15日、同国内で活動する外国メディアを「外国のエージェント(手先)」として登録させることを可能とする法案を可決した。米国がロシア政府系テレビ局RTに対する締め付けを強化したことに対する対抗措置。

 ロシア下院は、在ロシアの外国NGOに「外国エージェント」登録を義務付けている法律の適用範囲を外国メディアにも拡大する改正案を可決した。権利擁護団体はこの法改正について、外国メディアの独立報道を阻害する恐れがあるとして懸念を表明している。

 2012年成立の同法では、外国から資金援助を受けて「政治的」とみなされる活動を行っている外国NGOに対し、財政・雇用に関する厳しい審査を受けることや、書類や声明で自らが「外国のエージェント」であると明記することを義務付けている。

 ロシア政府は法案可決について、在外ロシアメディアが受けている攻撃への「非常に厳しい」対抗措置だと称賛している。

 ロシア国営通信社は「情報筋」の話として、同国の司法省が、米議会が出資する米国営ラジオ放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)に対し、両局の活動が同法の対象となる可能性があるとの警告を発したと伝えている。

 改正法案は今月末にも上院で可決され、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の署名により法律として成立した後、即時施行される見通し。(c)AFP/Anna MALPAS